太陽が沈み始めた夕方頃。
俺は奈桜を連れて、家の2階にある海に面した大きな窓の所へと向かった。
「ほら。ナオ見てみなよ!」
「うわぁ~!キレイ!」
目の前には大きく広がる海。
そして、その海に入っていくオレンジ色の太陽。
その夕陽を見て目を輝かせている奈桜。
その光景は今でも忘れられない。
「だろ?オレはここに来るといつも見てるんだ!」
「いいなぁ~!わたしもいつも見たい!!」
ずるいずるい!と頬をふくらませ、ダダをこね出した奈桜。
「そんなのまたココに来りゃいーじゃん!」
「え?また来ていいの?」
「当たり前だろ!ヤヒロとカズサも一緒!」
「ほ、本当に!?なら毎日来ちゃうよ!!」
「別にいいよ!!」
その時、奈桜はオレに近づいて
ギュッ
「ありがとう!!」
抱きしめ+満面の笑みをやりやがった。
段々、顔に血が昇ってきて熱くなっている事に気づいた時には、目の前が暗くなっていた。
その後のオレの記憶は無い。


