そして、退屈な時間も過ぎ昼休みとなった。


すると、2人にも矢尋から連絡が入っていたのか、行くよと声を掛けられた。


校内を案内した後、目的の屋上に行った。



―――ガチャッ



扉を開けると、すぐ真ん前の柵に矢尋は寄りかかっていた。


「矢尋来たよ。」

「よお。1ヵ月ぶりだな、奈桜。」


そう。矢尋とはあの日から会っていない。


矢尋は龍玄の皆とつるんでいる事が多い。


でも、私との約束をちゃんと果たしてくれた。


「約束、守ってくれてありがとね。」

「気にすんな。」

「まさか、和佐が来ると思わなかったけどね…」

「何よ。私じゃ不満?」


ここに、私達以外誰もいないとわかったからか、女言葉で話す和佐。


「違うよ。本当に和佐なんだね。久しぶりに会えて嬉しいよ。」

「本当だね。5年ぶりかな?」

「うん!私達が12歳の時だったからね!でも、どうしていきなり転校したの?それに、その格好も気になるし・・・。」

「ああ。それも含めて全部話すよ。」