いきなりの事で反応が遅れてしまった。


「や、矢尋?」

「いいか。よく聞け。

俺はお前を表から助けられる奴らを呼んでやる。だが、最低でも1ヵ月はかかるかもしれねぇ。

それまでの辛抱だから、待っててくれねぇか?」

「何言ってるの?これ以上矢尋に迷惑かけたくないよ。」

「これは迷惑なんかじゃねぇ!」

「……?」

「これはいきなり姫という立場から降ろされたお前に奈桜に対する詫びだ・・・。

俺は表立って動けねぇが、裏からならいくらでも奈桜を助けてやれる。

だから、頼むから1ヵ月待っててくれ!」


本当にこういう所は小さい時から変わらないな。


嬉しくてまた涙が出始めた。


「うん。待ってるよ。お願いね、やっちゃん!それと、ありがとう。」

「ったく!相変わらず泣き虫なんだな。気にすんな!いつでも頼れ。」


そう言って笑った矢尋の笑顔はやっちゃんの頃のままだった。