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Sideユリ






「またね〜?」






レオンが離れて行く……




嫌だ。




帰るところはもう無いの。







だから。





だから、






せっかく会えたのに、







安心してたのに、







「行かないで…!!」





私は座っているのに、






レオンが立ったから、







レオンのズボンの裾を





引っ張った。




「…え?





どうして?





俺ともう少し一緒に居たかった?」



結構驚いてる。



当たり前か。



こんなことしたの、




カナトと小さい頃以来だもの。








しかも俺ともう少し一緒に居たかった?って…



…違うわよ…おバカ。



って言いたいけど、




事実だ。




「私は今、





白にも黒にも






見方が……





レオンしかいないの。





…だから…




どうして外に一人でいるのか話すから、






見つからない、





城とは反対の方へ




場所を移そう…?



……………お願い。」




無意識に目を瞑って言った。




ずっと驚きを隠せないでいるレオン。





一城の王女が





味方がいない、






お城から離れようなんて…






絶対言わないだろうから。





…あ、





もう王女ではないんだった。





ずっとレオンの目を見ていた私に




少しだけ真剣な顔つきで






「分かった。





瞬間移動するから、





分かってると思うけど、




魔力を普通に移動するよりも使うから。








きちんと俺に触れててね?」




と言ってくれた。








「……ありがとう。




黒き者の世界でも、




どこでもいいよ?







お城から






見つからない場所に





連れて行って…?」






最後の方は声にならなかった。





魔力の問題もあるけど、






思い出したら、





心が張り裂けそうだったから。