―――ジャ……ジャ…… 一歩踏み出すたびに鳴るジャリの音で、ぼんやりしていた頭がしっかりとしてきた。 「ひな……」 鳥肌が立つほど優しい先輩の声。 「な、なんですか?」 昔みたいに、先輩の香りにドキドキしている自分がいる。 「俺たち、やり直さないか?」 先輩からの意外な言葉に、私は硬直してしまった。 ……今、なんて言った? “やり直さないか”って言ったよね? 聞き間違いなんかじゃないよね?