そのうち、お兄さんの腕が背中に回ってきて……。 抱きしめられた。 お兄さんの腕の中は、冷たくなった私の心に温もりを与えてくれた。 そして、私もお兄さんの体に手をまわした。 お兄さんと私は、見つめ合ったまま、ギュッと抱き締め合った。 お互いの目から涙が流れ落ちる。 私達は、傷をいたわり合うように、強く抱き締め続けた…………。 恋人同士でも、友達でも、家族でもない、この関係が私たちに、しばしの安らぎを与えてくれたんだ。