数分に及ぶ言い合いの結果
割り勘で決着がついた
…初めから割り勘にすれば良かったんだ
「まったく
アンタのせいで
目立ったじゃないの
あたしが目立ってはいけないってこと
アンタ知らないの？」
「知っていますよ
それに僕だって目立ちたくありませんし」
「……ああ」
蝶子さんは僕の顔を見て納得したかのように頷いた
…目立ちたくなくても目立ってしまうのが
事実なんだけどね…
「でも
あんなに皆からの視線を浴びたのは
初めてかもしれないわ
目立つのは嫌いだから」
「え？
蝶子さんって視線を
あんまり浴びないんですか？」
「ええ？
意外だと思ったの？」
「あー…はい」
蝶子さん美人で大人っぽいから
よく目立つと思ったんだけど
自分でも気が付かないうちに
目立っているかもしれませんね
