結はニコッと笑った





「良かったー
殺したくないって言われたら
どうしようと思いましたよ

僕は絶対に
蝶子さんに殺されるんです

蝶子さん以外に殺されたくないと
思っていますから!」





…どれだけ結は

あたしの殺人能力に惚れているのよ




確かにさっき結も言っていたけど

あたしは大人っぽいみたいだから

18歳に見えないみたいだから



繁華街を8時過ぎに歩いていても

警察とすれ違っても何も言われない



あたしが殺人を犯した現場の野次馬になっていても

誰もあたしに事件のことなんて聞いてこない

まぁ聞かれても知らないって言い張るけどね



あたしが巷―――繁華街を騒がす殺人鬼だって

結以外誰も知らない

殺人をしている時も

誰にも見られたことはない






あたしの真っ黒な秘密を知っているのは

結だけ