自分が 左手首を切っている姿を思い出して 溜めていた息を吐いた そこまで考えてふと思う …蝶子さんが止まったのは 僕が左手で箸を持った時 左は…僕の傷痕がある方 パーカーの袖で隠してはいるけど 絶対に見えないとは言えない 蝶子さんがもし 僕の左手首を見たら…… 「……ハッ」 乾いた笑いが漏れた …なわけないか 手首の傷を見たぐらいで 蝶子さんが黙り込むわけないか 考えすぎだよ僕も