最初に考えたことは、藍くんに嫌われたということよりも、もう、信じたくなかった出来事を信じざる終えなくなったことだ。


私の傍には居られないという彼の言葉に、そう信じるしかなくなった。


詳しいことは何も知らない、彼は何も教えてくれないもの。
だけど、これだけはわかる。


もう、長くないんだろう。




どうして黙っているんだろう。

なんで今まで一言も言ってくれなかったんだろう。


私には大切なこと何一つ教えてはくれなかった。


それなのに、何度も、好きだと言っては期待させて、突き落として、頑なに3ヶ月だけと言う。

ばか。


よくも、二度も私のプロポーズを断ってくれたわね。



あんな、怒らなくっていいじゃない。

だって、藍くんだって、私のこと好きって言ってくれたから、これからもずっと一緒に居たいって、思って、それだけだったのに。


靴と一緒に外に放り出されて、こんなひどい扱い、藍くんから受けるなんて思わなかったわよ。


なによ、もう、ばか。



どうして、こんな風になってしまうんだろう。



ドアを背にして私は、ぼーっと空を見ていた。

だんだんと太陽が下がっていくと、徐々に辺りが暗く、寒くなっていった。

涙が乾いたころ、お腹がなった。

聞かないふりをした。


別に、お腹がへったと感じなかった。



ただ、どうしても、1つ心配なことがあった。






藍くんは


ちゃんと夕飯を食べたかしら。