透き通るような白い肌、

艶々した血色の良い唇、

生粋の日本人なのに珍しい藍色の目、

細長い指先、

洗練されたパーツたち。



写真だてのなかに写る小さな彼は、
その小ささのなかに収まりきれないオーラと美しさを秘めて、いつも私を卓上から見守ってくれている。


私は、彼のパーツを一つ一つ丁寧に指でなぞって、無意識の笑みを浮かべた。

彼と、"約束"をしてから長い年月が経った。


あれから彼とは会っていない。
手紙交換なども中学校に入るといつの間にか来なくなった。


けれど、特に不安ではない。


彼が裏切りなんて汚いことをするわけがないから。

私は、自分を磨いて来る日を待ち続けるのみである。


今日から高校2年生だ。


藍くんも、高校2年生。


新しいクラスにドキドキするわけでも、新しい担任が誰なのかとか、そういった気持ちよりも、

あの美しい藍くんがまた1つ成長した姿を思い浮かべて昇天しそうになる。


小さな藍くんも、素敵だけれど、
大人の藍くんは、さぞかし色艶も増して、素敵なことだろう。


さて、妄想はこの辺にして、


もう一度シャワーを浴びて、
部屋の掃除機をかけてから学校に行くことにしよう。