岡野さんの後を追いかけて外に出た。外は、魔物のような何かが暴れ、人を傷つける。触手を使って刀で人を斬るもの、金棒で建物を壊す巨人等、地獄絵図だった。

「優子は……何がしたいの……?」

岡野さんはそう呟いた後、魔物に捕まった仲間を助けに行く。

「まさかこんなに早く来るなんて……!みこ!」

「うん」

なぎさんがみこさんと手を合わせると光に包まれて、1人になった。槍を持った天使は、飛んであっという間に魔物たちを倒していく。

「仄矢……?」

間違いない。仄矢だ。
効くかどうかは分からないけど、旗を持つ。そして、近づいてきた魔物の前で振る。魔物は、透明な欠片を落として消えた。

「佐伯さん!後ろ!」

そう叫んだけど避ける様子はなかったので、私は旗を投げた。旗は魔物に当たり、魔物は消えた。

「何故助けた……」

「聞かなくてはいけないことがあるからです!何故、空操禁書にこんなことを祈ったんですか!?」

「馬鹿にされたから……」

聞き取るのが難しいほど小さな声で答えた。