「優子、説明終わった?」

「はい、終わりました」

佐伯さんに一通り説明してもらい、私はここに出入りしている人を調べることにした。佐伯さんも調べたいと言ったけど、2人の人物が佐伯さんの代わりに調べると言って聞かなかった。

「草薙 炭花(すみか)です。なぎとでも呼んでください」

炭というよりは墨のような、黒い髪の女の子だ。

「神無木 命(かんなぎ みこと)です。みことでも呼んでください。」

黒い髪をポニーテールにしていて、赤い綺麗な髪飾りを付けている。落ち着いた雰囲気の子だ。
みこさんと佐伯さんは他にやることがあるでしょと、岡野さんとなぎさんに言われ、仕方無くこの部屋から出て行った。佐伯さんとみこさんがこの部屋から出るとき、怒っているように見えた。

「これからよろしく、なぎさん」

私がそう言うと、少し嬉しそうだった。

「みこと優子、さっき不機嫌になってたかもしれないけど2人ともいつもはいい子なんです。友達思いの子なので、この事件を自分たちで解決したかったんだと思います。心配しないで下さい」

そうか……佐伯さん、説明している時もそんな感じだったな……早く解決しないと。


「ここに出入りしている人の写真と簡単なプロフィール、持ってきたわ」

机に写真が並べられている。それを見ようと座った時、なぎさんがこの学校の訓練兵の可能性はないのですかと聞く。私はその可能性は低いと思うと答えた。机に並べられた写真を見て、思い出した。

「手紙の中に入っていた、無線電信所に持って行く紙、あれはなんだったんですか?」

並べられた写真の中に無線電信所にいる人の写真があって思い出した。

「えっそんなの入れてないよ!」

岡野さんは、紙のことを聞いて驚いていた。

「じゃあ誰が……!?」

「手紙を書いたのは?」

「私だけど……」

便箋には、無線電信所に持って行って下さいと書かれていた。誰かが手紙に何かをした……?

「手紙を郵便局に持って行ったのは?」


私たちは調査の対象を変えた。