「来て下さってありがとうございます。私は学校内の案内をする佐伯 優子です」

ここに来てすぐ岡野さんという人に会って、今は忙しいから佐伯さんに教えてもらってと言われた。佐伯さんは無表情で必要以上に喋らない人だった。

「ここは武器倉庫。桃子さんには、この武器倉庫の武器を盗む不届き物を見つけ出してほしいのです」

佐伯さんは盗難事件の話をしている時は少し興奮していた。

「この武器倉庫の中には私の友達が作った武器がしまわれていたのですが、それを盗む奴がいたのです!盗まれる前、軍人以外の怪しげな人影を見たという報告がありました!おそらくこの学校の外にいる人物が犯人だと思います!」

佐伯さんは、どちらかと言うと無口な人だと思っていたけどそれは間違いだったらしい。佐伯さんの事件の説明は、犯人の予想から管理人等の文句へと変わっていく。最新型の武器を素人でも壊せる鍵しか掛けてない倉庫に入れさせる上官はどうかしているとか、その最新型の武器を入ったらすぐ見えるようなところに置いた同期はどうかしているとか……

「あの……手掛かりになるようなものとか……怪しい人影の話は他にもありませんか……?」

「あっごめんなさい!つい興奮してしまって……」

その後は、普通に倉庫内の盗まれた武器があった場所や事件の手掛かりになりそうな話のメモを見せてくれた。