音子さんが持ってきてくれた塩に、おまじないの呪文を唱える。昔、誰かが教えてくれた。

「やっていいことと悪いこと、」

塩が少し光り、温かくなる。

「無の世界で考えなさい!」

全力で投げた塩がかかると、霊は悲鳴をあげる。そして、体がどんどん消えていく。

「私は悪くない……全部あの人が……」

完全に消えた後、私は嫉妬の本にあの霊はなんだったのか聞いた。

「あの霊は、生前理不尽な理由で離婚させられたの。でもまだ未練があって、他の人と結婚した夫と結婚した女の人を恨んだ。恨んでいるうちに人の心を操れるくらい力の強い悪霊になってしまって、その力で戦争を起こしたの。その戦争で2人を殺し、国境も変わったわ」

理不尽な理由で離婚……可哀想だと思ったけど、関係の無い人を巻き込む事故を起こしたのは許せない。

「桃子、音子にまだあの霊の呪いが残ってるわ。塩水を飲ませて」

音子さんに塩水を飲ませると、もとの音子さんに戻った。音子さんは事故のことを覚えていなかったので教えた。

「私、ちゃんと警察に言います」

音子さんは、悪霊に操られていた状態だったとしても本に書いたことには変わりないと言った。


その後、紫陽花さんと私と花鳥さんは、勝手に人の家を調べたことを注意される。

「暴走しすぎてしまったな……迎えに来た親と弟にも怒られた……」

紫陽花さんは大人なのに親を呼ばれてしまったと恥ずかしそうにしていた。

「そういえば、私のお母さんも来る……」