「零癒!ここはどこなの!?」

「真遊は気付いてないの?」

「気付くって……死んだことに?やっぱり私死んだのかな……」

ということは、ここはあの世なのかな?

「おかしいな……ふつう死んだことに気付かないと成仏できないのに……とにかく、この道をまっすぐ進みましょう」

零癒は、雲に隠れた月のようにぼんやりと光る道を歩く。私は零癒の後ろを歩く。どこに行くんだろうと考えたとき、やっと気が付いた。

「ねえ、零癒……」

「何ですか?」

「零癒は……死んでしまったの?」

ここにいるということは、死んでいるということになる。でも、信じられないし信じたくない。

「真遊は爆弾が落とされたことを知ってる?」

私はうんと頷いた。零癒は自分が死んだときのことを教えてくれた。