「ここが、真遊ちゃんの家……」

家は少し焼けているところもあったけど、住めなくはなさそうだった。

「鍵閉まってるし、自転車も無いからどこか出かけたんだと思う」

「どこにいるか心当たりは……?」

「ない……」

お母さんが帰ってくるまで待とうか迷ったけれど、いつ帰ってくるかわからない。夜になっても帰ってこなかったら、女の子2人でいるのは危ない。

「あるよ、心当たり」

璃兎がまじめな顔でそう言った。

「えっ!?何で!?」

「答え合わせは病院で!」

桃子と私は璃兎を追いかける。病院に入ると、璃兎はエレベーターの前で止まる。

「真遊ちゃんはこのエレベーターに乗って。桃子ちゃんと私は1階で待機」

「なんで私だけ……」

「それは後でわかるよ」

普通、こんなこと言われても信用しないのに、なぜかこのエレベーターに乗らなければいけない気がする。私はボタンを押してエレベーターに乗った。

「そういえば、何階で降りればいいか聞いてなかった!」

璃兎に聞こうとしたときに、扉が閉まった。乗った時には気が付かなかったけど、先に人が乗っていた。その人がボタンを押した。また1階に降りて聞かなければいけない。

「あの……真遊ちゃん何か言いたそうにしていたんですけど……」

「気にしないで、大丈夫だから!待ってる間に凄いの見せてあげる!」