反論する存在は言い忘れていた。太部にあった爆弾は大きいが手を抜いて作ったため、見た目ほど威力は大きくない。
だが、学校にはプロに作らせた爆弾を置いたことを……その爆弾は、教室を吹き飛ばすぐらいの威力がある。

「えっと……学校のほうは大丈夫だったの!?」

「うん、太部のが解除されると、学校のも爆発しなくなるんだって」

なんでそんな仕組みにしたんだろうと笑莉は不思議がっていた。もしかしたら、見和さんは止めてほしかったんだと思う。爆弾を爆発させたって、不満は消えないことを本当はわかっているはず……

見和さんと太部の人々も、病気の治療をしている。南天さんとオレガノさんが忙しそうにしていた。

見和さんの家族は、見和さんの言うことをなんでも聞くのではなく、みんなで相談するようになった。見和さんもこのことを反省して、大変なことになる前に周りの人に相談できるようになった。今の見和さんなら、きっと少しずつ学校のいじめも無くせると思う。

「太部の空気もなんだかいい感じになってきてる」

「太部は解放されたんだ」

目の前にあの子がいる。開いた解放の本を持って、私に問いかける。

「あなたは解放されたいの」

解放されたい……お母さんから……青から……

差し出された本に触ろうとしたところに、

「お嬢様、帰りますよ!」

青が来て、女の子は消えた。

「いいところを邪魔しやがって……帰らないからね!」

「お嬢様!」

「ちょっと桃子!どこに行くの!?」

追いかけてくる青の足元に小石を蹴って時間を稼いだ。早く解放されたい!次の町であの子に会えるといいなぁ。

行先はまだ決まってないけど、ちょっと気になる道を見つけたのでこの道を突き進んでいこうと思う。