「皆、作戦を開始するよ!」

南天さんの言葉で、私はもう後戻りできないところまで来ているんだ……と思う。
操作は覚えた。大丈夫、きっとできる。

「3、2、1、行け!」

私が素早くボタンを押すと、爆弾が爆発して目の前にある扉を吹き飛ばす。

これで私の役目は終わった。後は南天さんたちが美和さんを抑えて、青が奥にある機械を使えなくしてしまえば作戦は成功。

「ちょっと、どういうこと!?」

見和さんは当然驚き、近くにあったリモコンに手を伸ばそうとする。しかし、南天さんがリモコンを取る。

「離しなさい!私を誰だと思っているの!」

「青、私たちが抑えているうちにあれを止めて!」

きっと見和さんは逃げられないし、青が失敗するわけがない。そう安心しきったときに、
青が怪我をしてしまった。つながれていたコードに気づかず、引っかかって転んでしまったのだ。

「青!大丈夫!?」

青は大丈夫ですといったけど、全然大丈夫じゃない。

「青、痛いなら無理しないでよ……なんで骨折してるのに大丈夫って言うの……?」

腕にあざができていて、押すと痛そうにする。これでは機械を操作できない。

「でも、私がしなくて、だれかこの役割を果たすのですか?」

そうやって青は、どんな仕事でも終わらせてきた。

「私がやるよ!」

もう、青に任せきりにしない。

私は青から説明書を受け取り、一歩を踏み出した。