太部では、ロボットの姿も見えなくなっていた。

ロボットは何体か雲乃坂町に来ていたけれどあれで全部だったのかな?

それより、太部に住んでいる人を探したほうがいいかもしれない。家があるなら、太部には人が住んでいるはず。

私は窓から家の中をのぞいた。

本当はこんなことをしてはいけないけれど……

「料理が置いてある……」

そして、床になぜかしゃもじが落ちている。

「普通、落ちたしゃもじをそのままにしておくかなあ?」

おかしいのはこの家だけではなかった。ケーキ屋さんでは、箱に入ったケーキがそのままにされていた。

「ここに住んでいる人はどこに行ったんだろう?」

それより、何か忘れているような……?あっ、あの塔を調べるのを忘れていた!

黒くてなんだか不気味な塔。門が開いていて中に入れるけど……怖い。1人で入りたくない。

あっ、青のことすっかり忘れてた。青と2人で入れば怖くない!

「青~!ちょっと来て!」

「何ですか?」

「今度はこの塔を調べよう!」

この塔には何かありそうな予感がする。