-ピヨピヨ-

「んん~。ふぅ、よく寝た…。」

呑気にベッドから出て、タイミングがよくノック音が部屋に響いた。

『入るよ。』

ガチャとドアが開き、ルイスの姿が目に入った。

「ルイス、おはようございます。」
『おはよ、何か思い出した?』
「…………。いえ、特には…。すみません。」

芽衣がぺこぺこ頭を下げると、ルイスは気にしないで。と声をかけてくれた。

『じゃあ、制服に着替えてたら、呼んでね。』

ルイスはそう告げて、部屋を出て行った。

体全体が映る鏡の縁がうっすらピンクで、いろいろな模様が彫ってあった。

「制服、ワンピースか。」

薄い生地の長袖で、襟が付いており、ピンクのリボンが胸元に縫い付けてある。

小さなボタンは、キラキラ金色が光っていて、裾にはフリルが付いていた。

部屋を出ると、ルイスが壁に寄りかかって芽衣を待っていた。

『うん、似合ってる。じゃ、ご飯食べようか?』

階段を降りて、広いホールに案内された。

カチャカチャと食器の音が聞こえて、数人の女性が朝食の準備をしていた。

『おはようございます。ルイス様。芽衣様。朝食の準備が整いました。お召し上がりください。』

『有り難う。芽衣、口に合うか分からないけど食べて。』
「は、はい。ありがとうございます。」

そうして、食事が始まった。