ヒエラルキーの悪夢

「……画鋲、か」
「だ、大丈夫?愛実ちゃん」
「ああ。大丈夫だよ、詩織ちゃん」

私の前席で、画鋲を片手に爽やかに微笑んでいる女子生徒。その人の名前は日向 愛実(ひゅうが あみ)。ただのゲス女である。

「それにしても久しぶりのトラップだな…」
「愛実ちゃんは、なんでそんな呑気に…」
「それも、少ない労力で強い効果を発揮する絶妙なトラップだ」
「ただ画鋲を椅子にセロテープで貼り付けてあるだけだよ」

自由奔放、天上天下唯我独尊。まるで日向のために作られたような言葉である。このトラップを仕掛けたのはこの私、本田 朱織(ほんだ あかり)だ。

少ない労力で強い効果を発揮する絶妙なトラップを生み出し、素晴らしいタイミングでターゲットに仕掛ける。なんて最高なトラップなのだろう!