「え!?傘!!」



「ごめんな、俺、偽勇者一族だった。これ毎日カバンの中常備」



軽く傘を上げながら、イタズラっぽく笑った



「もおー、貴様もしやスパイだな!?」



「俺は慎重一族だ。勇者一族の奴らがどれほどのバカなのかを偵察しにやって来た」



「バカってひどいなあー」



笑いながら図書室を出た



優樹は家まで送ってくれたが



別れるまで、なんとなく



絵本のことは聞けなかった