パシっ



突然私を引っ張っていた手が誰かによって捕まれていた。



顔を見なくてもわかる。



「あ、あおくん...!!」


ほ、本物の王子様に見える!


今日のことを除けば完璧な王子様だ。




「僕のひかりに、なにしようとしているんですか?」



や、やけに″僕の″を強調してない?!



「お?悪者が登場かな?」



「あなたの方が悪者なのでは?」




ふ、二人ともニコニコしてるけど怖いよ?!


目が怖いよ?!



「行くよ、ひかり」


あおくんは強引に私の手を引いて校舎内へ入っていく。

「う、うん」



「ふふっ。君とは良きライバルになりそうだね」





と、後ろから透先輩の意味深な声が聞こえた。