玄関前には、黒の幕の花輪が2つ置かれている。



インターホンを押すと、すぐにお婆ちゃんが出て来た。



黒い礼服を羽織るお婆ちゃんは、あたしを見て笑ってはいるが、その笑顔がやけに年老いて見えた。



こんな表情のお婆ちゃん、初めて見たかもしれない。



中に入ると、広い和室に、仏壇があり、優しい笑顔の七海の遺影が、黒いリボンを結ばれて、中央に置いてあった。



和室は、お線香をあげる人で溢れていて、広い筈なのに、狭く感じた。



仏壇の隅の方には棺桶が置いてあり、それを見て涙を流す人も、大勢いた。



七海は、幸せだね…。



これだけの数の人達に今まで愛されて来て、悲しんでくれて、泣いてもくれて。



七海。



今、幸せ…?