裕くんはそう吐き捨てると、あたしの腕を取り、屋上の扉を開け、足早にその場を後にした。
「裕……くん」
「大丈夫だったかね?!
怪我はないかね!」
「…えっ?」
突然、裕くんに慌てた形相でそう聞かれ、ちょっと動揺した。
「だ、大丈夫だよ。
怪我って言っても、大した事ないし」
「…良かった……」
裕くんは安心したのか、ホッとしたような表情で、一息付いた。
「あの… ありがとうね?」
「ん? 気んかいさんけー」
裕くんはそう言って微笑んだ。
「あいっ、もう朝礼が始まるさっ!」
『急ぐが』と言いながら駆け出した裕くんを、あたしも後ろで追い掛けた。


