野村さんは低い声でそう言うと、あたしの胸ぐらを引っ張りながら、端のフェンスがない所に歩き、
あたしを端に突き出した。
「仕方ないさ…。
うにげぇーが聞けねぇなら…… ここから消えて貰うさっ!」
野村さんがあたしを突き飛ばそうとした………その時だった。
屋上の扉が、バァンッ!と凄い音を立てて開いた。
「貝橋さんっ!」
慌てた形相でこっちに駆けて来たのは
「裕くん…」
こちらに向かおうとする裕くんを、子分の女子たちが必死で止めている。
「お前ら邪魔さっ!」
そう怒鳴ると、子分の女子たちは全員固まった。
きっとコイツらも、裕くんの事が好きなのだろう。


