「そりゃあ、まぁ。今の担当の先生に出した方が良いんじゃない?」

覚悟してたはずだった。
だけど面と向かって言われるとさすがに辛い。
あたしもここで諦めればいいのに
負けじと言葉を発する。

「でもやっぱり先生が良いんです。」
こんな言葉、一生言わないと思ってた。

でも先生も大人。
「今の先生に出して、教えてもらってそれでも分からなかったら先生に出して。岡田のためにもそれが1番良いと思う」

何も言い返せない。頭が回らない。
冷静な先生と取り乱してるあたし。
沈黙が続く。
賑やかな廊下でここだけ時が止まってるみたい。

先生はあたしから顔を背けて階段の方に歩いていく。
追いかけることも呼び止めることもできずただ、遠くなっていく先生の背中を見てた。