「俺はこの時のために生まれて来たんだ。いざ、我が使命を果たさん!」


「鞍馬、皆で倒すの。あなた一人の命を犠牲になんてしない」


「かぐやちゃんありがとう。でも俺はこの時のために今まで生きてきたのだと確信し、喜びでいっぱいだよ」


「馬鹿野郎、あのでっけぇ魔物を倒してから喜べっつうの!」


銀司がそういうと、鞍馬は頷いて見せた。


「行くぞっ!」


四人が魔物の後ろを追いかけて行くと


ついに漆黒の炎が姿を現した。


それは真っ黒で恐ろしいほどに燃え盛る死そのもののようだった。


魔物は四人をチラリとみるような素振りをすると


炎にいきなり喰らいついた。


魔物は狂ったようにその場で暴れ出し


狂暴な本性をむき出しにして


四人へと襲い掛かってきた。


銀司や白虎が得意な技を次々繰り出すが


刃が欠けるばかりで硬いうろこは傷つくこともなかった。


かぐやの鋭円盤も同じく


まるで魔物の周りを飛び回るハエのごとく役に立たなかった。


「僕に任せて」