『おまえの匂い他の奴と違う』


土人族と戦っているとき、ふとそう聞こえた。


「?」


『異界の者か』


聞きまし替えかと思ったがまた声がした。


地の底から声がしている。


『見つけたぞ見つけたぞ』


そう聞こえたかと思うと急にあたりが静まり返った。


これまで里で暴れていた土人族がいなくなったのだ。


どこへ消えたかと辺りをうかがっていると、


四方八方から伸びてきた木の根がかぐやの体にグルグルと取りついた。


手も足も封じ込められ鋭円盤も使えない。


すごい数で避けることも逃げることもできなかった。


まるで里にいた土人族がかぐやだけを集中的に狙ったようだった。


ううっ


自由を奪われたまま地面に引き込まれる。


その時、銀司の稲妻落としと白虎の技、猛獣魏牙が地面をえぐり返した。


「かぐや!」


「かぐや!」


銀司と白虎の声が被る。


「ゲホッ、だ・・・大丈夫」