前から2列目窓際の席に、 少し猫背で座る彼は イヤホンをし、 窓の外をを眺めていた。 周りとの交流を自ら 遮断しているように見えた。 気がついたら 彼を注視していたようで、 杏里に話しかけられて我に返った。 「里香ちゃん?大丈夫?」 そう言った杏里は 私が見ていた方を見て、 納得したように頷いた。 「あぁ、泉くん。一目惚れした?」 私は何度も頷いた。