「それじゃ、僕はこれで」
さっきの関係者がぞろぞろとどこかに帰っていき、私と山河くんの二人っきりになった。
「嘘……信じられない。なんでここに?」
「久しぶり、凛子」
ドキッ。
久しぶりだ、この感じ。
この、急に心臓が跳ね上がる感じ。
ああ、懐かしいな。
高校の頃を思い出す。
初めて、凛子なんて呼ばれた。
今まで名字でしか呼ばれたことがなかったのに。
そんなに急に凛子なんて言うから……
「かなり顔赤いけど?」
「う、うるさいばか!」
ニヤニヤと笑う山河くんを叩いた。
信じられない。
まさか、こんなところで会えるなんて思ってなかった。
『楽しみにしてろよ』
って、そういうことだったんだね。

