窓際の山河くんの隣は。


「いやあ、あの山河くんがそんなワケアリな事情あるとはね……」

サキとミカが、顔を見合わせて神妙な顔をしていた。

ふと教室を見るとみんなこそこそと何かを話していた。

何?山河くんがどうしたの?
全然話についていけない。



「山河くんのお母さんね、自殺して亡くなったんだってさ」




――――え?



「なんでも、山河くんのせいだって噂だよ」

「何したんだろうね?そんな子に見えなかったんだけどなあ」


頭が真っ白になった。
サキとミカの声が耳にまとわりつく。


「なんか、ちょっとよくわからない子だと思ってたけど。関わらないのが無難な選択だね。凛子もやめときなよ?」

「山河くんは?!どこ?」


私は知らない間に大きな声を出していて、教室が一瞬で静かになった。


「え、いや知らないけど……さっきまで居たんだけど、途中で出て行っちゃった。私らの話が聞こえたのかな?」

「っ……!」


私は凛子!というサキとミカの叫び声を無視し、教室を飛び出し、全力で走っていた。