「最悪だ……」
流れ落ちる涙。
拭いても拭いても止まることは無かった。
「ばかみたい」
情けない。
山河くんなら、私のことわかってくれると思ってた。
「っ……!!」
夜ごはんを作って喜んでくれて。
行かないでなんて、子供みたいに私の腕を掴んで。
気まずくなったなと思ったら私に声をかけて、手料理が食べたいなんか言って。
絵をプレゼントしたら喜んでサインが欲しいなんか言って。
自分だけが舞い上がって、自惚れていただけだったんだ。
「好きだったのに……っ」
少しずつ気付いていた気持ちがあったのに。
ちょっとでも期待していた私がばかだったんだ。
私だけ、こんな……
ただただ、ショックだった。

