「や、山河くん……?」
「結局どっちも中途半端。結局それで笹本はどうしたいんだ?親に言われるのが怖いからって自分の好きなことを押し殺して勉強だけして、全部親のせいにして。友達にも本当のことが言えなくて。全部が中途半端なんだよ」
「……っ」
このグサッと刺さる言葉たちが山河くんから発しているなんて。
頭が追いつかなかった。
「お前のそういうところが嘘っぽいって言ってんだよ。結局自分のやりたいこともわかってないくせに、ただ辛いですしんどいですって顔して。そんな自分が悲劇のヒロインです、みたいな顔されんのが一番腹立つんだよ、見ててイライラする」
ああ、そうか、そうだった。
なんだかもう、今何を言われてるのかすぐに理解できなくて。
「ごめん、帰る」
ただただ私の頬に涙があふれて止まらなかった。
「あっ、違う、違うんだ、ごめん言い過ぎ――」
私を引き留めようとする山河くんの手を振り払って、勢いよく玄関から飛び出した。

