窓際の山河くんの隣は。


「え――」


一瞬時が止まったように感じた。
彼の方を見ると、ぱっちりと目を開けていた。

起きたんだ。

彼につかまれている部分が熱い。


何が起こっているの。


「や、山河くん?」

「あっ、ごめん」

山河くんも自分のしていることにびっくりしたのか、バッと手を離して口をパクパクさせていた。


「えっと……あの」

「ごめん、俺夢見てて……急にごめん変なことして」

「あ、ううん、大丈夫だから」


二人ともうつむいて、気まずい空気が流れた。
私は一人、緊張してドキドキして、震えていた。

「わ、わたし帰るね!明日カレー温めて食べてね。じゃ、お邪魔しました」


一刻も早くこの場から逃げ出したかった。
この心臓の音が大きすぎて聞こえてしまうんじゃないかと思うと、怖かった。

はあはあと息を立てながら私はひたすら走った。

ふと携帯を見ると、着信履歴がお母さんで埋まっていた。

やばい。
覚悟して帰らなきゃ……