私は起こさないようにそーっと山河くんに近づいてみると、スースーと寝息を立てて気持ちよさそうに寝ていた。
「今日木登ったりして体力使ったし、疲れたよね」
私はじっと山河くんの寝顔を近くで見つめていた。
なんて、綺麗な顔なんだろう。
長いまつ毛に白い肌。
彼に、触れてみたくなった。
わたしはそっと手を伸ばそうとして、
「――っ……何やってんの私」
ハッとして、手を止めた。
ドキドキと心臓が鳴る。
本当に今日はずっとうるさいなあ。
ああ、もう山河くんの顔、ずっと見てられる。
「あ、やばいもうこんな時間!」
ふと時計を見ると、20時を回っていた。
お母さんにご飯いらないって連絡もしてないし、今から帰るって連絡しなきゃ。
絶対お母さん怒ってる……
カバンから携帯を取るために、立ち上がろうとしたとき。
「――行かないで」
山河くんに手を引っ張られ、止められた。

