「ごめんね、借りるよ、台所!」
さっきのスーパーで払ったお金を返すよ、とすごく申し訳なさそうにしていた山河くんに、
お金はいらないから、今度またコンビニでアイス奢ってね、と言った。
これからも一緒に帰りたい。
そういう意味も込めて。
「……ちょっと、あんまり見られたら緊張しちゃって失敗するじゃん!」
私がずっと料理をしている間、床に座ってじっと私を見つめる山河くん。
少し微笑んでいるようにも見えるから余計にドキッとしてしまう。
「笹木って、料理もできるんだな」
「できるって言っても、ちょっとだけだよ?ほら、やっぱり女の子だからそれくらいはできないと……」
私はまたうつむいて作業に集中したら、山河くんはふふっと笑っていた。
なんだか、とても楽しかった。
家族以外の人のために料理をしたことなんて今まで一度もなかったし。
楽しみだなあ、と言う山河くんがとても可愛く見えた。

