「いや、いいよ。そんなん悪いし。今日も帰って勉強するんじゃねーの?」
「ううん、いいの!いい気分転換にもなるし!食材とかってないよね?私、買ってくる!」
待って、という山河くんの声も聞かずに家を出た。
山河くんの二人きりというこの不思議なシチュエーションに、少し逃げたくなった。
こんなことになるなんて思ってなかったし。
男の子と家で二人きりなんて今まで経験したことないし……
「わかんないよ……」
ドキドキと音を立てる心臓にギュッと手を当て、近くのスーパーに向かった。
次の日とかも食べれるし、カレーにしよう。
カレーは一度、学校でも作ったことあるし、前にお母さんのお手伝いもしたこともある。
野菜の形はいびつになってしまうかもしれないけど、頑張って作ろう。
よし、とガッツポーズをしてまた彼の家に向かった。

