窓際の山河くんの隣は。


「ごめん、部屋かなり散らかってるけど」

着いたのはアパートの小さな部屋だった。


「山河くんって、ここに一人で住んでるの?」

「ああ、まあ。色々あって」

「そっか」

一人暮らしって、寂しくないのかな。
まあでも、親に毎日勉強勉強言われるよりかは、気は楽なのかも。

そんなことを考えながら、彼の住んでいる部屋を見渡した。


「ってか、わざわざ笹木が俺の家に来なくても、自分で消毒できたな、ごめん」

「ううん!腕って自分で手当てしにくいし……むしろ、なんか家に入れてもらってごめん、ありがと」

私はぶんぶんと頭を振って俯いた。

笹本。この間まではさん付けだったのに、取れてる。
ただそれだけのことなのに、少し距離が縮まったような気がしてなんだか嬉しかった。


そして、山河くんの二人っきりというシチュエーションに、ずっと心臓が鳴っていてうるさかった。

鳴りやめ、と思うたびにどんどん大きくなっていった。