ドキドキと高鳴る鼓動。
私は何も言えないまま、ただ山河くんをひたすらに見つめていた。
「俺の家、親いねえし。多分消毒液とかあったと思うから」
そうやって、冷静に落ち着いて、普通に喋る山河くんが少しだけずるいなって思った。
「……うん」
私は小さく頷き、彼の後ろをついていった。
今から山河くんの家に行く。
予想もしなかったまさかの展開に、頭と心臓が全然追いついていなかった。
ただ、普通に会話をして、普通に帰宅して。
そんな一日を過ごすと思っていた。
彼と話すようになってから、何気ない日常が変わっているような気がした。

