窓際の山河くんの隣は。


ドキドキと荒々しく心臓が鳴り、

「ど、どういう意味……?」

か細い声でそう聞いた。


“嘘っぽいよね”
たった、その一言だけで、何故が私の心の中の全てを見透かされているような気がした。


「ごめん、悪いけど俺やっぱ今日もう帰るわ。これ、鍵」

そう言って、山河くんは私の机に教室の鍵を置いて、出て行ってしまった。


一人教室に取り残された私は、ただ茫然と山河くんが居た席を見ることしかできなかった。



結局、彼にそう言われた後、勉強に集中できなくてすぐに私も帰ってしまった。