紅ずきん



「ねえ、赤い頭巾の話なんだけど、別世界にいったあとに戻る方法ってわかる?」

「え?なんかいろいろあるけど、呪いをとくとか、ハッピーエンドにするとかが一番有力かな?」

「それ、詳しく教えて!」

「ごめん、詳しくはわからない。」


他の人にも聞いたけど、やっぱりみんな答えは同じだった。



他にやり方はないのかな…?


この世界から助け出す方法。


結局、その日1日かけて調べたけど、みんなが言ってることしかわからなかった。


その方法だと、どうやら別世界に行かないとダメらしい。


でも、別世界に行って、失敗したら、私まで戻れなくなる。


みんな、私を忘れてしまうんだ…。



どうすればいいんだろう…。


やっぱり、私も行かなくちゃならないのかな…?


そういえば、あの神山 恵梨奈って、誰だろう。


明日、学校で調べてみよう。

何かわかるかもしれない。


私は色々考え事をしているうちに眠ってしまった。


私は夢を見た。

知らない女子と話しながら歩いていた。


私の家の近くだった。


「ねえ、知ってる?旧校舎の図書館に放課後、一人でいたら赤い頭巾が現れるらしいよ。」

「へー。でもあるだけじゃん。」

「うん。でも、その頭巾を手に取ってしまうと、別世界に連れていかれてしまうんだって。」

「ええ?!ヤバイじゃん!」

「でもね、1つだけ戻る方法があるんだって。」

「何?」

「それは―。」



その瞬間目が覚めてしまった。


あと少しだったのに…。


時計を見ると、まだ2時だ。


私はまた眠った。