嘘…。
本当にこの場所で…。
すると、「赤ずきん」と書かれた本を見つけた。
私はその本を取った。
私は何故か気になり、本を読むことにした。
だけど、その「赤ずきん」は、私達が知っている「赤ずきん」の話じゃなかった。
内容はこうだ。
主人公は真っ白な頭巾をかぶった白ずきん。白ずきんはおばあさんの家に行く。でも、お母さんにはたのまれてはいない。
狼は白ずきんを見つけ、食べようと企み、おばあさんの家に先に言って、おばあさんを食い殺してしまう。
その後、白ずきんがきた。
「なぜ、おばあさんの耳はこんなに大きいの?」
「それはお前の声がよくきこえるようにするためだよ。」
「なぜ、おばあさんの口はそんなに大きいの?」
「それはお前を食うためだよ!」
白ずきんは狼に食われそうになる。
でも、何とか避ける。
そして、狼がおばあさんを食べたと気づく。
それで白ずきんは怒り狂う。
キッチンにあった包丁で狼の腹を切り裂き、殺す。
その返り血で真っ白いずきんは真っ赤に染まった。
おばあさんはすでに死んでいた。
そこに近くを通りかかった狩人が来る。
ドアをあけると真っ赤に染まった頭巾を被った少女を見つけ、慌てて逃げ出した。
その狩人がその少女を赤ずきんと呼んだ。
それ以来赤ずきんを見たものはいないが、赤い頭巾を見た人はたくさんいた。
そして、その頭巾に触れたものは、必ず腹を裂かれて殺される。
というものだった。
この「赤ずきん」は、ハッピーエンドはなく、バッドエンドだった。
その本を閉じようとすると、中から紙が出てきた。
見てみると、そこには幼い子が書いたような字で、悠太が言っていたあの言葉が書かれていた。
悠太はきっとこの本を読んだんだ。
そして、この紙を見つけた。
私は紙をもとの場所に戻そうとしたが、わからなかった。
私は一番最後のページに挟むことにした。
そのページを開くと、びっしりと何かが書かれていた。
よく見ると、それは名前のようだった。
小さい文字で書かれていて読みにくかった。
でも、頑張って見てみると、衝撃を受けた。
一番最後に書かれてある名前は、
「東雲 悠太」
「悠太…!ああああ…。」
やっぱり、別世界に行ってしまったんだ。
だとしたら、ここにたくさん書かれている名前は、今まで行方不明になってしまった人達の名前…?
その中に一人だけ、女の子らしき名前の人がいた。
その名前は、何故か懐かしく感じた。
「神山 恵梨奈」
誰だろう。
場所から見ると、悠太の前に消えてしまった人だ。
だとしたら、つい最近消えた人。
とても気になった。
でも、その前に悠太をもとの世界に戻す方法を考えなきゃ!
私は本を持って、旧校舎を出た。
教室に戻り、みんなに聞いて回った。

