「ここに…エリナ先輩と、雪兎がいる…。すぐに助けに行くからね!」


私は赤い頭巾を持って穴へと入った。


暗くて長い長い穴を滑り落ちて行った。


そしてたどり着いたのは、不思議の国(ワンダーランド)。


平和で楽しい世界。


私はなぜか吐き気を感じた。
こんなに綺麗…なはずなのに。


キモチワルイ。


私は雪兎とエリナ先輩を探しに行った。

あの魔方陣は確かに1日しか開かない。それまでに見つけ出して連れ出さないと。


こんなにキモチワルイ世界にいたなんて…。
可愛そうに。すぐにたすけてあげるからね。


どこにいるの?

どこにいるの?


すると、村人らしき人を見つけた。

きっと見ているはず。

私は聞いてみた。


「すみません。この辺りに白い髪の少年と、長い髪の毛で少しハーフみたいな顔立ちの少女を見ませんでしたか?」

「ああ。知っているよ。でも、あの二人は誰とも会いたくないらしくて、いつも家にいるんだ。たぶん無理だよ。」

「とりあえず場所を教えていただけませんか?」

「それはちょっとね…。女の子一人じゃ危ないところだから…」

「早く教えていただけませんか?」

「あ、ああ。わ、わかったよ。向こうの森のずっと奥だよ。家の近くに川があるから、それをたどっていけばつくはずだよ。」

「ありがとうございます。」


私は中々教えてくれなくて、イライラしてしまった。
殺気の隠った笑顔でお礼をいい、森へと向かった。


森に入るとすぐに川があった。
小さな川だけど、ずっと奥まで続いていた。


私は川に沿って歩いていった。


1時間ほど歩くと、一軒の家が見えてきた。
その家はまるで、私たちがいたあの家のようだった。


見慣れた家を見つけ、私は少し安心した。


玄関まで歩き、ドアを叩いた。


「雪兎ー?エリナ先輩?私です。アリスです!」


しばらく何も聞こえなかったけど、数秒すると雪兎らしき人の声が聞こえてきた。