しばらくすると、ドアがノックされ、雪兎が来た。
「さあ、行こうか。」
「うん。」
私達は招待状に書かれている地図を見ながら会場に向かった。
会場までは結構遠くて、その間ずっと赤ずきんの恐怖に駆られながら歩いた。
そして、やっとのことで着いた。
会場はとてもとても大きな木の下だった。
私達以外全員がそろっていた。
ハートの女王を始め、あのシルクハットの男、チェシャ猫、赤ずきん、そして、見知らぬ人が一人いた。
「二人とも、1分遅いわよ。」
「すみません。少し迷ってしまって…。」
「まあ、いいわ。とにかく、赤ずきんをどうにかしなくてはならないわ。」
女王の話し方は少し怖かった。
重苦しいというか、緊迫した雰囲気だった。
お茶会のはずだけど、全然優雅でも楽しくもない。
ただ紅茶があるだけの会議。
赤ずきんは兵隊によって、身動きがとれない状態になっていた。
そこで女王が問い詰めた。
「赤ずきん。あなたはなぜこんなことをしているの?もう、十分じゃない。」
「私ハ、操られている。造ラレタ。」
「それは誰に?」
「アイツ。ユキト。」
赤ずきんは雪兎を指差す。
「僕ではない。赤ずきんには無理に僕が造り上げたと言い聞かせたんです。真実は違います。」
「なぜそうする必要があったのだ?」
「そ、それは…。」
「嘘が下手なのね。さっさと本当のことを言いな!言わなくたってあんたを殺すことくらい容易いけどね。」
突然、女王の話し方が変わった。
「ですから、僕にも事情がありまして…」
「お黙り!言い訳など聞きたくないわ。正直に罪を認めなさい。あなたのせいでこんな世界になったのよ。」
「で、ですから…」
「違う!雪兎はやってません!」
私はつい、叫んでしまった。
皆が私に注目する。
「ちゃんと、雪兎の話を聞いてあげてください。」
「アリス。あなた、何を吹き込まれたの?あなたを信用していたのに…。」
「信用しているなら、聞いてあげてください。」
「あ、アリス…。」
もうここまできたら、雪兎も真実を話すしかない。
「もう、信用などしていない。雪兎を連れていけ。」
「ま、待ってください!僕は違うんです!話を、話を聞いてください!」
「女王様!雪兎を放してください!お願いします!」
「えぇい!五月蝿い!裏切り者も連れていけ。処刑してやる!」
「いやああああああ!」
もう、恐怖しかない。
メチャクチャだ。
こんな、こんな最期は嫌だ。嫌だよ!
話さえ聞いてくれたら。エリナ先輩がいたら。全てを知ってくれたら…。
「待ってください。全ては私が仕組んだことです。二人を放してあげてください。私が全てを申し上げます。」

