紅ずきん



私達はあわてて外に出た。

すると、本当にシルクハットを被った男の人が立っていた。


「招待状です。3時頃に木の下に。」


シルクハットの男はそれだけを言うと、ハートのトランプをそれぞれ渡した。


裏を見ると、ちゃんとした招待状だった。


「木の下って…?」

「僕もわからないけど…。でも、ここに地図らしき絵があるよ。」

招待状をよく見ると、ハートの絵の中に、地図のようなものが描かれていた。

こんなの普通なら見つけられないよ。


「今は1時半だから、あと1時間したら出ようか。」

「うん。」


時間はゆっくりとでも確実に進んでいた。

いつ、どのようにしてこの世界が消えるかはわからない。

でもその前に私達はエリナ先輩を見つけて、もとの世界に帰らなければならない。


なぜエリナ先輩がこちらに来ないのかは不思議だけど、赤ずきんとかの問題があるのだろう。


私は、エリナ先輩も悪者にしたくない。
雪兎も。皆。


ただのお人好しなのかもしれない。でも、性根は悪い人じゃないって知ってるから、だから私は皆を信じる。


私は雪兎とエリナ先輩を信じて、悠太と一緒にもとの世界に帰るんだ。


私と雪兎は、ハルと悠太に招待状を見せ、3時に行くことを伝えた。


このティーパーティーに行くついでにエリナ先輩も探しに行く。

皆は地図の存在に気づかなかったため、場所は遠くにあり、帰るのが遅くなると伝えた。

こうすれば、エリナ先輩を探しに行って、遅くなったとしても怪しまれることはない。


私はまた部屋に戻り、頭の中を整理した。




まず、この物語の作者はエリナ先輩で、雪兎はその事実を知っていた。

そして、エリナ先輩からの頼みで私達をこの家に入れて、守っていた。


雪兎がエリナ先輩のことを黙っていたのはきっと、私が悲しむと思ったからだろう。


だから、自分が疑われるようなフリをした。
その中でエリナ先輩の居場所を調べたりしていた。


だとしたら、たまに家を出る行動の訳がわかる。


この呪いをとくことができるのは、エリナ先輩だけ。


なんでエリナ先輩が…。


いつも楽しそうで、明るい人だと思っていたのに。
心に闇を抱えていたんだ…。


なんで私は気づけなかったんだろう。
きっとエリナ先輩、嫌だったんだろうな。
私の話を聞くの。

辛かっただろうな。
何も考えずに話してたんだから。


謝りたい。
会いたい。
最後に一度だけ。