紅ずきん



考えすぎて、頭が痛くなってきた。

気分を変えるために、顔を洗いにトイレに行った。


冷たい水を顔にかけると、気持ちよくてさっぱりした。


すると、突然声が聞こえた。

「アリス。アリス。」

「ふぇ?だ、誰?!」

「鏡を見て。」


言われた通り、鏡を見ると、とても美しい女の人がいた。

王冠のようなものを被っていて、ハートマークのある杖を持っていた。


どこかで見たことがあるような…


「私はハートの女王よ。」


やっぱり!


「あの…。なぜ『赤ずきん』の世界に?」

「あら?この世界は『赤ずきん』だけじゃないわよ。色々な話が混ざった、本の世界よ。」


本の世界?!


あ、でも、本の世界だとしたら、色々と都合があう。


アリスの話とか、赤ずきんの話とかが混ざるわけも。


「あなたを私の城へ招待するわ。」

「はい?あ、えと…なぜ?」

「あなたと話がしたいの。」

「わ、わかりました…。いつですか?あと、場所がわからないんですけど…。」

「大丈夫よ。私の方から使いをよこすわ。」

「わかりました…。」

「それでは今からそこに向かわせます。」

「い、今からですか?!」

「ええ。では城でお待ちしているわ。」



そう言うと、女王は消えた。

それより、今から来るって。私、どんな格好していけばいいの?

まあ、着替えがないんだけどね…。


じゃあ、今のこの服のまま?


失礼じゃないかな…?



私はリビングに戻ると、悠太に今起きた出来事を話した。


「マジか!じゃあ、もう来るんじゃねーか?」


コンコン


悠太が言ったと同時にドアがノックされた。

出ると、そこには、大きなカボチャの馬車があった。


まさか…これって…


「おい。カボチャの馬車って、シンデレラじゃねーか!」


すると、馬車のドアが勝手に開いた。
まるで、私に「乗って」と言っているようだ。


私は乗ることにした。


「気を付けろよ。」

「うん。」


私が座ると、またドアが勝手に閉まった。
そして、馬車は走り出した。