「何で私の名前がわかったの?」
「だって、それが物語だから。」
「は?意味がわからないんですけど…。」
「それは自分で考えるんだな。まあ、そんなことより、君にヒントを与えに僕は来たんだ。というより、真実を思い出させるために。君の記憶に、全ての答えがあるんだよ。」
「私の…記憶?」
「そう。その記憶を蘇らせるヒントを、雪兎が言ってたよ。」
「あ…。」
たぶん、それは私がさっき思い出した言葉のことだろう。
「じゃあ、悠太は、一度雪兎に会っているの?」
「さあね。そこまでは言えないよ。自分で考えないとね。でも、唯一言えるのは、ほぼ正解ってことだ。」
「ほぼって…。まだ何かあるの?」
「それじゃあ、頑張ってね~♪」
「ちょ、待ってよ!」
「あ、そうそう。1ついい忘れてた。君、お守り持ってるんだね。」
「?そうだけど…。」
「じゃーねー♪」
「…は?」
そうして、チェシャ猫(仮)は消えた。
謎ばかりを残して。
とりあえず、悠太に話さなきゃ。
私はドアを開けた。
今度は普通に開いた。
やっぱり、あの化け猫のせいか。
リビングに行くと、皆、それぞれ自由に行動していた。
悠太はただただ『赤ずきん』を読み続けていた。
「悠太。ちょっといい?」
「ん?あ。アリス。どうした?」
私は悠太に雪兎の言葉から推測した私の考えを話した。
それと、あの猫のことも。
「俺が雪兎に?まあ、でも、記憶がなくなっているんだとしたらあり得るけど。でも、アリスは頑張って考えたら忘れていた人を思い出すことができたんだろ?だけど俺は全く思い出せないんだ。」
「じゃあ、あの猫の話は嘘ってこと?」
「そうなんじゃないか?この世界は誰が味方か敵かわからないからな。答えを言っているようで、実は間違った方向に連れていこうとしているかもしれないぜ?」
「うーん。でも、何だかそんな気はしなかったんだよね…。だけど悠太が思い出せないなら、違うのかな…?」
やっぱり疑問が残る。
仮に悠太の言う通りだとしたら、なぜ私達を邪魔するの?
何のために?
んー。
やっぱり違う気がする。
それじゃあ色々と訳がわからなくなってくる。
やっぱり、あの猫はきっと、ヒントを言ったんだよ。
私はそう思った。

