「僕はその考え、いいと思うよ。」
雪兎が言った。
「おい、お前、俺達を逃がさないために間違った方向に連れていこうとか思ってるんじゃないよな?」
「まさか!僕はそんなことはしないよ。それに、僕は何も知らないんだ。まず、そんなことできないよ。僕は僕でちゃんと解決法を考えているんだ。」
「信用できねーよ。絶対にお前は嘘をついている。」
「もう、二人とも、喧嘩はやめて!」
悠太と雪兎がそろそろ殴りあいをしそうな気がして、私は間に入った。
「悠太。君はなんで僕が嘘をついているように見える?」
「え…?そ、それは…。何よりも、アリスがお前は何か秘密を持っていることを知ったからだ!」
「へー。でも、アリスが知った僕の秘密は、この時計のことだけなんだけど。」
私は驚いた。
あんなに口止めをしたのに、あっさりとばらしたからだ。
「と、時計…?それだけ?」
「ああ。ただそれを持っているってことだけだよ。この世界には時計がないと話したけど、僕だけが実は持っていたってだけだ。」
「本当か?アリス。」
私はうなずいた。
雪兎はこの時計の秘密までは言わなかった。
やっぱりそれだけは言えなかったのだろう。
とりあえず私は口止めされていたから、雪兎に合わせた。
「そうか…。でも、やっぱり怪しい。」
「なぜ、そう思う。」
「何となくだよ!なんかお前の表情が嘘をついているように見えただけだ。」
「ふーん。なぜ表情でそう思ったんだろうね。僕と君はまだ会って5日しか経ってないのに。」
「は…?」
「まあ、いいや。疑うなら疑えばいい。だけど、僕は何もしらないよ。」
雪兎は意味深な言葉を言い残して、自分の部屋に入っていった。
私も頭の中を整理したくて、部屋に行くと言って、席を立った。

